海外赴任が決まったら投資口座の資産はどうなるのか?【証券会社9社の対応を一挙にまとめ】

資産運用

最近は仕事で海外赴任・海外転勤すると聞いてもあまり珍しくなくなってきましたよね。
それだけ仕事の内容が国内にとどまらず,駐在員としてグローバルに活躍されている日本人が増えているのだと感じます。

一方で,20~30代を中心に将来の資産づくりのために早くから投資を始める方も増えてきています。
最近はネット証券で簡単に設定できますし,必要な情報はインターネットで得られるので当然ですよね。

では,投資を始めたはいいけれど海外赴任が決まった場合,運用している資産はどうなってしまうのでしょうか
実は海外に長期滞在して非居住者となると,日本の銀行口座や証券口座は使用を制限される場合が多いです。

この記事では,代表的な証券会社9社のそれぞれの海外赴任者への対応をまとめました。
その上で,将来的に海外赴任する人にとってのおすすめの証券会社や資産運用の方法についても僕の意見をお伝えしたいと思います。

この記事はこんな人向けです:

  • 海外赴任が決まったが保有している株や投資信託等の運用資産の扱いを知りたい人
  • 出国時に自分が使用している証券口座について知りたい人
  • 投資を始めたいけど海外赴任の可能性があってなかなか踏み出せない人

Nontan
Nontan

僕も海外で働いてみたい!

※この記事は2020/08現在の内容です。今後もなるべく最新版に更新していきますが,各社の対応は都度更新されたりケースバイケースで判断されるようです。なのでこの記事は参考としてお読みいただき,実際のところは各証券会社にお問い合わせください。

海外赴任が決まったら投資口座の資産はどうなるのか?【証券会社9社の対応を一挙にまとめ】

海外赴任で長期的に日本を離れる人に対する証券会社9社の対応をまとめました。
下の表が概要になります。

証券会社口座継続可能?出国中の取引可能?帰国後に特定口座への組み戻し可能?帰国後にNISA口座への組み戻し可能?
SBI証券はい*いいえ問い合わせで確認問い合わせで確認
楽天証券はい*いいえはいはい
マネックス証券はい*いいえいいえいいえ
松井証券はい*いいえ問い合わせで確認問い合わせで確認
DMM.com証券いいえいいえいいえいいえ
SBIネオモバイル証券いいえいいえいいえいいえ
野村證券はい*問い合わせで確認はい問い合わせで確認
SMBC日興証券はい*問い合わせで確認問い合わせで確認問い合わせで確認
大和証券はい*売却のみ可能問い合わせで確認問い合わせで確認
*ただし特定口座やNISA口座は廃止なので一般口座に移される

以下で順番に各社のHPの記載を紹介していきます。
概要だけで大丈夫,という方は一気に下までスクロールしてくれて構いません。

※ちなみに,国内の「居住者」と「非居住者」は所得税法で以下のように区分されます。

居住者:国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人

非居住者:「居住者」以外の個人

国税局HP No.2875 居住者と非居住者の区分

なので,例えば1ヵ月などの短期的な海外出張や海外旅行の場合は国内に住所があるので対象外です。

要するに,住所を海外に移して1年以上滞在する赴任では非居住者となるようですね。
ただ金融機関ごとに定義している場合が多いので都度確認した方がいいと思います。

SBI証券の場合

SBI証券のQ&Aによると以下の通りです。

当社に証券総合口座をお持ちのお客様が、海外勤務等の理由により一時的※1に出国「(本邦)非居住者」される場合、出国後のお取引については制限がございますが、
原則、帰国されるまでの間も当社の証券総合口座(お客様名義)にて有価証券等※2をお預けいただくことが可能です。

海外に居住されるお客様につきましては、出国前に「非居住者」となられるお手続きが必要となります。
お手続き方法につきましては、カスタマーサービスセンターへお問い合わせください。

なお、出国後に「(本邦)非居住者」に該当することが判明した場合、当社にて速やかにお取引の制限、特定口座やNISA口座(ジュニアNISA口座)の廃止などの手続きをさせていただきますのでご了承ください。

※1海外へ「永住」される場合は、証券総合口座の閉鎖が必要となります。
※2「(本邦)非居住者」に該当する場合、特定口座やNISA口座(ジュニアNISA口座)で上場株式等の管理を行うことはできません

SBI証券のQ&Aより

まず出国後の取引は制限されます
さらにこれまでNISA・特定口座で積み立てた運用資産は一般口座に強制的に移されますが,そちらに預けることはできるようです。
実際にはカスタマーサービスに問い合わせる必要があるようですね。

これらの情報から,インデックス投資を前提としたユーザーがとり得るアクションは

  • 出国前に売却
  • 一般口座でホールドして帰国後に運用を再開

の2パターンですかね。

帰国後に運用を再開する場合,一般口座から元のNISAや特定口座に戻せない懸念があるので事前によく確認しておくべきでしょう。

楽天証券の場合

楽天証券の海外出国のお手続きによると以下の通りです。

内容出国中の状態
当社ウェブページへのログイン可能
お取引出国中は売買ともに不可
入出金登録された出金先金融機関への出金のみ可能
NISA・つみたてNISA口座の継続利用出国前のお手続きにより可能
ジュニアNISA口座の継続利用制度上、継続利用不可
NISAロールオーバの申込み不可
特定口座の継続利用出国前のお手続きにより可能
海外居住地での税制対応不可
楽天証券 海外出国のお手続きより

まず取引は売買ともにできないようです。
ただし,NISA・つみたてNISA・特定口座は手続きすれば継続利用できるみたいです!これはいい!

売買はできないので積立効率は落ちますが,インデックス投資であれば長期的にホールドしておくのが前提なのでぜひ活用しましょう
厳密には,出国中は一時的に一般口座に振り替えられるようですが,帰国後の手続きで再びNISAや特定口座を復活できるということですね。

マネックス証券の場合

マネックス証券のお客様へのお願いによると,以下の通りです。

海外赴任等の理由により、法令の定める「非居住者」に該当する場合、証券総合取引口座を「解約」していただくか、当社が認める範囲で「休眠口座」として口座を継続することができます。

(中略)

<休眠口座のお取扱い>

-外国商品や信用建玉などを保有されている場合は、出国前に売却・決済していただくようお願いいたします。
-全ての商品をお取引いただくことができません。(お預かりするのみとなります。)
特定口座や非課税口座(NISA)は国内居住者が利用できる制度のため、廃止させていただきます。
-プレミアムウェブなど個別に契約されたサービスは解約させていただきます。(対象の契約は出国手続き書類にてご確認ください。)

なお、お預り資産に関するお手続きが出国日までに完了しない場合や、出国後に「非居住者」に該当することが判明した場合には、特定口座や非課税口座(NISA)の継続利用ができないため、当社にて廃止手続きを行います。(ご帰国後に特定口座へ戻すことはできません。)また、外国商品や信用建玉などを保有されている場合は、当社にて売却・決済させていただく場合がございますのであらかじめご了承ください。

マネックス証券HP お客様へのお願いより

マネックス証券では口座の解約か休眠口座への移行の2択です。

休眠口座の場合,NISAや特定口座は廃止となるので一般口座扱いですね。
帰国後に特定口座に戻せないと明言されているのでホールドしたとしても運用が面倒です。(一般口座は課税口座で確定申告が)

出国前の売却も悪くない選択肢のように思います。

松井証券の場合

松井証券の口座開設基準(個人)ページの「6.口座開設後、居住者から非居住者になる場合」によると以下の通りです。

出国日以降の取引を制限します(ログインおよび入出金は可能です)。

非居住者となる場合、特定口座は継続利用できません。特定口座で保有する株式は一般口座へ振替え、速やかに特定口座を閉鎖いただく必要があります。出国後に非居住者となったことが判明した場合には、当社で特定口座の閉鎖手続きを行います。

NISA口座の出国後の取扱いについては、松井証券顧客サポートまでお問い合わせください。

帰国された場合は、松井証券顧客サポートまでご連絡ください。取引の制限を解除します。

松井証券HP 口座開設基準(個人)「6.口座開設後、居住者から非居住者になる場合」より

SBI証券に近い対応ですね。

特定口座を閉鎖して一般口座へ振り替えてホールドすることは可能です。
NISA口座は個別対応となるのですね。

帰国後の連絡により取引の制限は解除されるようですが,特定口座やNISA口座に戻せるのかは記載がないですね。
こちらも事前に十分確認が必要です。

DMM.com証券の場合

DMM.com証券のFAQによると以下の通りです。

Q 海外に居住することになった。口座はそのままでいいですか?

A 日本国外に居住されることとなった場合は、口座の解約が必要です。
解約はお問い合わせフォームから受け付けております。
なお、口座残高がある場合は解約手続きを行えません。口座残高が「0円」であることをご確認のうえ、ご依頼ください。

DMM.com証券HP FAQより

これまでで最も厳しい口座の解約が求められています。
口座残高も0円にしなければならないので,たくさんの種類の商品を保有している場合は注意が必要です。

休眠口座などの措置をとらないのは,そのようなマイナー対応に人件費を使っていられないためだからだと思います。
その分ヘビーユーザーの手数料を下げてあげた方がリピーターを獲得しやすいのでしょう。

SBIネオモバイル証券の場合

SBIネオモバイル証券のFAQによると以下の通りです。

SBIネオモバイル証券のサービスは日本国内在住の方を対象としており、海外居住の方のお取引はお受けできません。

大変申し訳ございませんが、口座の閉鎖が必要となります。 お手数ですが、カスタマーセンターまでご連絡ください。

SBIネオモバイル証券のFAQ より

少額から購入できてTポイントも使えることで有名なSBIネオモバイル証券ですが,こちらも非居住者になる場合は口座の閉鎖が必要になりますね。

日本の課税ルールに則って徴収されるので,海外にいて住民票が国内にないのであれば当然といえば当然です。
保管のための口座を準備してくれる証券会社はそれなりにビジネスの規模が大きいことが窺えますね

野村證券の場合

野村證券のFAQによると以下の通りです。

Q 海外転勤することになりました。現在利用している特定口座を、帰国後も利用して株式を売却することはできますか?
A 出国に伴い特定口座は廃止していただく必要があり、特定口座のお預りは一般口座へ払い出しされます。ただし、出国前および帰国時に一定のお手続きを行っていただくことで、払い出しされたお預りを再度、特定口座に組み入れ、売却することが可能です。詳細は、お取引店までお問い合わせください。

野村證券のFAQより

野村證券では特定口座は一旦廃止となりますが,手続きさえ行っておけば再度特定口座に組み入れることはできるようですね。
NISAについては特に記載はありませんでした。

オンラインだろうが実店舗があろうが,海外赴任者に対するサービス内容にはあまり大きな違いはなさそうな印象です。

SMBC日興証券の場合

SMBC日興証券のFAQによると以下の通りです。

Q 海外へ転居する場合の手続きについて教えてください。

A お客様が日本国内の居住者ではなくなる場合は、お取引店に速やかにご連絡いただき、お取引口座をご解約ください
または、所定の手続きを行っていただき、当社が承認した場合は、制限の範囲内で口座を継続することができます
詳しくは、お取引店までお問い合わせください。

SMBC日興証券のFAQより

海外居住者であれば口座開設はできないので解約するのが前提ですね。
ただ手続き次第で口座継続は可能のようです。

制限の範囲内で」というのが気になりますね。
詳細を記載していないのはあまり対応事例が多くないからなのでしょう。

他社の対応を見る限り,一般口座で継続・特定口座に戻せるかは要相談という感じかと思います。

大和証券の場合

大和証券のよくあるご質問によると以下の通りです。

Q 海外転出する際は、どうしたら良いですか。

A お手続きが必要となります。取扱い窓口へお問い合わせください。
転出中は、やむを得ず預り資産の売却を行う場合を除き、新規の取引等は一切できません。
また、租税条約対応、納税処理対応等につきましてはお客様ご自身での対応、確認となります。

大和証券のよくあるご質問より

大和証券では窓口でのお手続きの案内のみです。
実店舗がある場合は基本的に窓口に駆け込んでくださいとなりがちですね。

解約が必要とは記載していないので,休眠のための一般口座を紹介されるのでしょうか。
海外にいる間に資産を売却することもできるようです。

海外赴任が控える人にとってのおすすめの証券会社と資産の運用方法とは?【楽天証券でつみたてNISA】

海外赴任の人に対する証券会社9社の対応を見てきましたが,では海外赴任する可能性がある人におすすめの証券会社や資産の運用方法はあるのでしょうか。

僕の結論は,これから資産運用を開始する人であれば「楽天証券で口座開設してつみたてNISAでインデックスファンドの積立購入」一択です。

もう一度概要を見ながらその理由を説明していきましょう。

証券会社口座継続可能?出国中の取引可能?帰国後に特定口座への組み戻し可能?帰国後にNISA口座への組み戻し可能?
SBI証券はい*いいえ問い合わせで確認問い合わせで確認
楽天証券はい*いいえはいはい
マネックス証券はい*いいえいいえいいえ
松井証券はい*いいえ問い合わせで確認問い合わせで確認
DMM.com証券いいえいいえいいえいいえ
SBIネオモバイル証券いいえいいえいいえいいえ
野村證券はい*問い合わせで確認はい問い合わせで確認
SMBC日興証券はい*問い合わせで確認問い合わせで確認問い合わせで確認
大和証券はい*売却のみ可能問い合わせで確認問い合わせで確認
*ただし特定口座やNISA口座は廃止なので一般口座に移される

前提として,運用期間を10年以上見込める人を想定しています。
そのような長期投資が可能な方であれば,原則は途中で売却することはせずにひたすら積立購入する手法がおすすめです。

途中に海外赴任の期間が入ると,その期間は積立はできなくなります。
ただ,これまで購入した資産が出国中に大きく育つことを期待して口座はなるべく継続しましょう

短期間で売却してしまうのは複利の効果が満足に得られないまま手放すことになるので,あまりおすすめできません。

その意味で,海外赴任になったら口座を強制解約となるDMM.com証券,SBIネオモバイル証券は候補から外れます
プラスであればまだいいですが,マイナスの成績のまま強制売却になるリスクもありますしね。

出国中は目の前の仕事に集中していればよいので,基本なにもしません。
次に考えるべきなのは帰国後の対応です。

出国前には,非課税メリットを最大限生かせるつみたてNISAで積立購入をするのがおすすめです。
ただこのNISAの口座は日本にいる間のみ有効なので,せっかくNISA口座で積み立てたとしても海外赴任によって課税口座(一般口座)に移されてしまいます。

出国中は仕方ないですが,帰国したらまた非課税のNISA口座に戻したいですよね。

これを可能と謳っているのは楽天証券しかありません
これが投資デビューする方に楽天証券がおすすめとお伝えしている理由です。

楽天証券は,楽天カードで投資信託を購入できたり,楽天ポイントを購入資金に充てることができたりと,かなりお得なサービスを行っているのでこの点でもおすすめです。

これから資産運用を開始するなら楽天証券がおすすめの理由

  • 海外赴任が急に決まっても手続きすれば口座を解約する必要はない
  • 非課税のNISA口座で積み立てた資産を帰国後にまたNISA口座に戻して非課税で運用できる
  • 楽天カードでの購入や楽天ポイントでの投資などのサービスが充実している

もちろん,コールセンターに問い合わせることで他の証券会社でもNISA口座への組み戻し等の対応は可能なのかもしれません。
しかしそれは僕のような既に証券口座を持っている人がやることです。

これから口座を開設する人はわざわざコールセンターなんかに電話をかける必要はないのです。
シンプルに楽天証券の口座を開設してインデックスファンドの積立購入を始めましょう!

インデックスファンドの積立購入がおすすめな理由はこちらの記事で解説しています。

まとめ:海外赴任が決まったら事前のお問い合わせと手続きは忘れずに!

海外赴任が決まった人に対する各証券会社の対応と,海外赴任に備えておすすめの資産運用の方法をご紹介しました。

既に投資されている方も,問い合わせの内容次第では帰国後もこれまでの積立分を生かせるので諦めずに交渉しましょう

制度はあっても,問い合わせや手続きが不十分では元も子もありません
帰国後に後悔することのないように手続きしてくださいね。

海外赴任に行ける方というのは,部署の事情はどうであれ,これまでの実績からその資格があると判断された方です。
あなたが現地でその実力を100%発揮できるように応援しています。

この記事が参考になったのであれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!

※これから投資始めるなら非課税のつみたてNISAを活用しましょう!こちらの記事で解説しています。

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